アルティメット エキサイティングファイターズ 外伝6 〜覆面の警護者〜 |
アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜 〜第3部・第04話 人工生命体4〜 ドクターT(シルフィア)「・・・でも本当、身体の底から力が漲ってくる感じよね。」 ヘシュナ「そうでしょう。今まで施してきた方々全員がそう仰られています。それにマスターが仰る には、素体の基本能力と言いますか。それが高い人物ほど凄まじい力を発揮するとも。」 ミスT「これらを放ち続けるヘシュナ自身にも、相乗効果で恩恵に与るのだから怖ろしいわな。」 ヘシュナは無論、ヘシュアや親衛のメンバーやその他の面々。カルダオス一族の主力陣が この強化法を実践した。その力を使えば使うほど、自身も戦闘力が格段に向上するのである。 特に強化法を行った回数が多いヘシュナが如実に現れている。 ドクターT(シルフィア)「でもさ、君の方が物凄くなっている感じがするんだけど。」 エリシェ「本当ですよ。凡人の私からしてもそれが痛感できますし。」 ラフィナ「この強化法を受けた方々は、例外に漏れず個々人の特技が強化される感じですよね。」 ミツキ(わたなんか凄いわぅぜぇ〜!) 念話が伝わるか否か、何とそれぞれの面々に癒しの念波が伝わってくる。ミツキは強化法を 施された直後から、その能力が開花した感じになった。十八番とも言える癒しの一念は、心を 穏やかにさせるのである。不安や恐怖の一念が一瞬にして消え去るのだから怖ろしい。 ドクターT(シルフィア)(な・・何なのこれ・・・。) ミツキ(ウッシッシッ♪ わたを見縊って貰っては困るわぅ。姉ちゃんなんかもっと凄いわぅよ。) ナツミA(フフッ、そうね。) 今度は超絶的な恐怖の念波が伝わってくる。それに俺を含め、念話を感じ取っている面々は 恐怖に駆られだした。ミツキが癒しの一撃なら、ナツミAは恐怖の一撃である。怖ろしいと しか言えないわ・・・。 シューム(ハハッ・・・ナツミAちゃんのそれ、毎度ながら良く効くわ・・・。) ナツミYU(本当ですよね・・・。) ドクターT(シルフィア)(そんな事ができるようになるとはね・・・。) ナツミAの恐怖の一撃を受けた面々は、口を揃えてその恐怖度を物語る。生物に必ず訪れる 死という現実を、この恐怖の一撃に垣間見る事ができた。それだけ強烈な一念となる。 ミツキ(と言うか、Tちゃんの殺気と闘気の心当てなんか超ヤバいわぅよ。) ナツミA(あー、そうよね。ヘシュナさんの強化法が当たる前から、愚者を廃人に近い状態にまで させたのだから。更に私達は1日程度の強化法の施しだけど、Tさんは数週間はそれを 受けているし。) ミスT(・・・ここは1つ、受けてみるか?) 態とらしくニヤケ顔で語ると、とんでもない・結構だといった感じの念話が方々から伝わって きた。何ともまあ・・・。 今のナツミAの恐怖の一撃でも相当なものだったのだ。それ以上のものだとすると、とても 常人では耐えられる訳がない。これはナツミツキ姉妹・ナツミツキ四天王を助ける時、実際に 愚者に殺気と闘気の心当てを放った事がある。 未強化と言ったらヘシュナに失礼だが、その状態でも相手を廃人にまでさせたのだ。今の 強化法を施された俺なら、確実に心が折られて即死しかねない。死亡はしないだろうが、二度 と常人に戻る事はできないだろう。 シューム(でもさ、その殺気と闘気の心当てが癒しの一念込みだったら・・・。) ナツミYU(あー・・・慈愛の一念ですか・・・。) デュリシラ(受けてみたいですよね・・・。) ミスT(勘弁してくれ・・・。) 今度は3人からの強烈な望む声が挙がる。この姿勢には毎度ながら参るしかない。それを 伺った面々は笑っていた。そして今思ったが、意思の疎通たる念話の強さが更に変わった感じ に思える。今まで以上に濃密な内容が伝わってくるのだ。 ミスT(念話は使い手の強さにより上下する、か。) ナツミA(本当にそう思います。しかもそれが善心を持たねば発揮する事ができない。恐らく連中は この技術も使おうと画策するでしょうけど、絶対に使う事はできないでしょうね。) ミツキ(3大宇宙種族の方々が技術力、これらを用いるようになる時に予測したのでしょう。何れ 必ず悪心を持つ面々が、この技術力を使おうと画策する事を。) ナツミA(そうね。それらを阻止するべく、善悪判断センサーたるものを施した。それが今に至る。 ガードラント一族が模写に関して強いと言うも、生命自体に帰結する部分までの模写は 不可能よね。) ミスT(生命体自体に元来から内在する、それぞれの力か。極論だと魂などの部分になるわな。) 毎度ながら痛感させられる。俺達全員に内在する生命の力は、如何なる邪心をも跳ね除ける。 上辺では凡夫故に四苦八苦の業苦は舞い降りるが、根底の生命力までには及ばない。何もの にも侵略できない顕然とした領域とも言い切れる。それが俺達に備わっているのだ。 ミスT(・・・膝など折ってなるものか。全ては総意の安寧を勝ち取るための戦い。それにこれらは 俺達が生きる今世で達成できるとは思えない。永遠と続く闘争そのものだしな。) スミエ(そうですね。生きる上で必ず通らなければならない苦痛の道でも。しかし私達にはそれを 跳ね除ける力も備わっている。後は簡単、我武者羅に突き進めと。) ドクターT(シルフィア)(本当にそう思います。T君が常日頃から心懸けている一念がここに集約 していますから。) ミスT(烏滸がましい感じだけどな。それでもその一念や役割で世上の安寧が勝ち取れるなら、俺は 鬼にでも悪魔にでも何にでもなってやる。絶対に退かんよ。) 懐から煙草セットを取り出し、徐に一服した。とにもかくにも、己が生き様自体で全て変化 していく。何処までも貪欲なまでに貫き通せるかに掛かってくる。本当に重要な概念だわ。 ヘシュナ「よし、粗方終わりました。どうでしょうか?」 ドクターT(シルフィア)「ふぅ・・・物凄い事になってるわ。身体の底から湧き上がるパワー。 これなら不測の事態への対応は大丈夫そうね。」 スミエ「その生命力なら直ぐに察知できるので、非常時は転送装置で馳せ参じますよ。」 ドクターT(シルフィア)「すみません、お言葉に甘えさせて頂きます。」 ミスT「よし、では撤収する・・・訳にはいかないか。」 エリシェ「ですねぇ・・・。」 丁度ヘシュナの強化法が終わった頃に、明確な敵意を感じ出した。前の俺達なら微々たるもの には反応は疎かったが、今は強化法の恩恵で物凄く敏感に至っている。そこら中からの敵意が 関知できるぐらいだ。 暫くして、静かに入室してくる面々があった。そちらに目を向けると、普通の出で立ちの 人間にしか見えない。だが今の俺達の力なら、それが人ならざるものであるのは明白だった。 ミスT「・・・まさか、人工生命体か?」 ガードラント王「ほぉ・・・察しが良いな。」 ゾロゾロと出てくる人工兵士とも言える面々の後から、今では完全悪のガードラント王と 防衛庁長官が出てくる。この様相からして、もう悪役の悪の字を地で走るようなものだ。 防衛庁長官「暢気なものだな、ドクターT。今だからこそ始末するチャンスだというのに。」 ドクターT(シルフィア)「へぇ・・・全ては彼らを倒す事が前提だった訳ね。」 ガードラント王「それ以外に何の役に立つというのだ。既に諸悪の根源、ミスターTはいない。後は 貴様等を始末すれば、地球や宇宙は我が物となる。」 ミスT「・・・なるほど、全て読まれていた訳か。」 人工生命体を出してくる時点でおかしいとしか思えない。生命体である以上、必ず不確定要素 が現れる。それらを危惧して黒服連中と軍服連中は機械兵士にしたというのに。まだ連中の 方が悪道を進んでいる感じだ。 防衛庁長官「死にたくなければ、素直に全ての技術力を明け渡すんだな。」 ヘシュナ「はぁ・・・仮にそちらに渡ったとしても、あの理から扱えるとは思えませんが。」 ガードラント王「使えなくてもいい。使える奴を人体実験の材料にし、その能力の一片でも得る事が できれば問題ない。模写さえすれば全て済む。」 ミスT「今現在の力で、私達の内情は把握されておいでか?」 防衛庁長官「私は人間だからな、その能力はない。だが彼なら大凡の事は掴んでいる。」 ガードラント王「3大宇宙種族の技術力が我が手にある限り、我が目を騙す事など不可能だ。」 これは相当の有頂天状態だわ。些細な力を得て、それが超絶的なものだと勘違いしている。 しかし、それが本当の力でない事は明白だ。その証拠を見せてやるか。 ミスT「はぁ・・・貴様等じゃ扱えない力だわな。」 ガードラント王「何だと? 先程から図々しいにも程がある。」 ミスT「だから、ご自慢の力で見切ってみなさいな? それとも、直接見せた方がいいか?」 一服しながら性転換ペンダントの効果を切る。態とらしくメタモルフォーゼの様な演出を しつつ、ミスTからミスターTへと戻って見せた。それに目の前の2人は驚愕している。 ガードラント王「な・・何だと?!」 ミスターT「テメェ等の目はフシ穴で、何の能力も使えていない証拠だ。3大宇宙種族の力の1つを 見抜けない時点で論外極まりない。そして、俺が死んだと思って天狗になっていた事も 愚の骨頂とな。」 防衛庁長官「何という失態を・・・。」 ドクターT(シルフィア)「失態ねぇ・・・。なら、これを見て更に失態しなさいな。」 今度はドクターTことシルフィアの方も変化ペンダントの効果を切った。俺と同じ体格の彼女 がミスTと同じぐらいの体格に戻る。そして青髪の鬼神の存在は、戦闘に関する役職に就く 面々なら誰もが知っている様子。防衛庁長官の顔が見る見るうちに青褪めていった。 防衛庁長官「あ・・青髪の鬼神・・・。」 シルフィア「あら、ご丁寧に覚えていてくれてどうも。」 ガードラント王「ぐぐっ・・・灯台下暗しとは。」 ミスターT「カスが使う言葉には勿体ないわ。貴様等の様な害虫は、テメェ等同士で念話でも使え。 その声を聞くだけ虫唾が走る。」 ガードラント王「き・・貴様・・・。」 怒りの様相だが、俺の身体から発せられているオーラに驚愕しだしているようだ。先程の会話 で挙がっていた、殺気と闘気の心殺しを徐々に高めつつあった。ただそれは周りにいる仲間達 にも広がり、その恐怖度に顔を青褪めだしているが・・・。 後半1へと続く。 |
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