| アルティメット エキサイティングファイターズ 外伝9 〜覆面の苦労人〜 |
| アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝9 〜覆面の苦労人〜 〜第1部・第07話 猫人族の三姉妹6〜 三姉妹を前に進ませ、その背後を俺が守る形で店舗を後にする。俺の背後からは、奴隷店主 の嫌悪に満ちた目線が突き刺さってくる。 その相手に我慢がならなかったのか、俺の身体から這い出たティルネアが一撃を放った。 凄まじい殺気の目線で、相手を凝視しだすのだ。その一撃を察知したのだろう。奴隷店主は 恐怖に駆られだしている。その場に尻餅を付いて座り込んだのだ。 ミスターT(・・・すまんな。) ティルネア(・・・貴方の代理人として遂行したまでです。) 何の感情もないような言葉を語ってきた。それだけ、彼女の怒りが現れている証拠だろう。 創生者たる存在は、どんな状況でも中立を保たねばならない。それなのに、彼女のこの言動 である。どれだけの一念が渦巻いているのかが痛感できた。 何だか彼女、世上に触れる事により、より一層人間味が溢れ出している気がしてならない。 それがタブーである事も承知なのだろうが、それでもタブーを実行してしまう。ティルネアと いう女性の、本当の姿を垣間見た感じがした。 とりあえず、奴隷の加入は終えられた。しかも幸運だったのが、一気に3人の加入である。 流石に姉妹を離れ離れにする事はできない。3人の一括加入は必然的なものである。 またこれも幸いだったのが、スラム街から衣服店へは近かった。更には、城下町の様相から して、奴隷を連れて歩く事は珍しくはないようだ。今回は人目を気にする必要はない。 そこで、念話経由でリドネイとナーシャに連絡を入れる。居場所は判明しているらしく、 ものの数分で合流する事ができた。 俺が連れている3人を見つめ、自然と笑顔を浮かべて招き入れる2人。その彼女達の言動を 見て、更に表情が柔らかくなる三姉妹だった。 リドネイとナーシャと合流した後、衣服店へと向かう。三姉妹に合う衣服を見繕うためだ。 今は先輩格の2人がいるため、三姉妹の事を任せても良いだろう。 リドネイの場合は、俺とティルネアしかいなかった。しかもティルネアは当時精神体で、 姿を顕現させる事はできていなかった。俺の場合は男性なため、リドネイの衣服の見繕いは 問題が生じてしまう。 今回はその彼女以外にナーシャがいてくれている。本当に有難いと言うしかない。やはり、 女性の身嗜みに関しては、同性同士でのやり取りが一番良い。 俺の方は、衣服店へと入った後はカウンター付近で時間を潰した。三姉妹の衣服の会計を 行わなければならない。店主は彼女達に付きっきりなので、何となくカウンターに近付きレジ 近くで待ち続けた。 三姉妹の衣服選びが、事の他時間が掛かってしまった。その間に、店内に入店するお客さん があり、臨時でその対応を引き受けた。覆面と仮面を装着した大男に驚くお客さんである。 まあ、異世界事情からして、こうした特異的な身形は日常茶飯事らしい。地球でもこの身形 で居るため、一応問題なく通用するだろう。 それに、喫茶店の運営や、他の店舗での雑用を行ってきた経験がある。それらのノウハウを 活かし、お客さんの対応に応じ続けた。 衣服店店主「す・・すみません・・・ありがとうございます・・・。」 ミスターT「ああ、気にしなさんな。」 お客さんが選んだ衣服を持ちつつ、カウンターへと優しく置く。それに気付いた店主が、 慌てて駆け付けて来た。衣服選びは付き添えるが、流石に会計は介入できない。異世界の物流 事情に疎いのもある。 駆け付けて来た店主に会計を任せ、近場にあった椅子に腰を降ろす。5人は今も衣服選びを 行っているようで、店内を物色して回っていた。何ともまあ・・・。 まあ、この場合は女性の世界とも言えてくる。ここは彼女達に全て任せるしかない。 お客さんの対応を終えて、再び5人の元に向かう店主。お客さんは帰り際、俺に対して深々 と頭を下げてきた。俺の方も小さく頭を下げ返した。 臨時ではあるが、店舗の運営に携わる事になるとは。やはり、地球で培った経験群は大いに 役立っていると痛感させられた。過去の経緯は、決して無駄にはならないわな。 ミスターT「・・・時間掛かり過ぎじゃないか・・・。」 リドネイ「まあまあ、そう仰らずに。」 それからも、来店されるお客さんの臨時の対応をしつつ待ち続ける。三姉妹の衣服選びが 終わったのは、俺達が入店してから数時間後だった・・・。 流石にハメを外し過ぎだとボヤくが、黙認せよとリドネイに一蹴された。ナーシャの方も 同調せよと無言の圧力を放ってくる。何ともまあ・・・。 ミスターT「マスター、合計は幾らだ?」 衣服店店主「えーと・・・合計で銀貨60枚となります。」 ミスターT「了解した。」 資金袋から銀貨60枚を取り出し、カウンターのトレイへと乗せていく。リドネイの時は、 銀貨10枚だったのを思い出した。大凡1人分の衣服は、銀貨10枚程で賄えるのだろう。 と言うか、彼女達が選んだ衣服の量が結構な数だった。多分、一番安いのを複数買い込んだ のだろうな。それに、同性同士故に色々と物色したのもあるだろう。 ともあれ、これで三姉妹の衣服に関しては問題ない。後は彼女達の身形の問題だ。一旦、 宿屋へと向かうとしよう。 衣服選びと購入を終えて、同店を退出。その足で宿屋へと向かった。昨日泊まった宿屋と なるため、問題はないだろう。 時刻は夕方を回っており、辺りに良い匂いが立ち込めている。その匂いを嗅いだからか、 三姉妹のお腹が可愛らしく鳴り出した。それを聞き、顔を赤くする彼女達。そんな3人を、 微笑ましい視線で見つめた。 ミスターT「悪い。飯は後回しにするよ。先に済ませる事がある。」 俺の言葉に、小さく頷く三姉妹。リドネイとナーシャとは打ち解けたようだが、俺に対して は幾分か距たりがあるようだ。まあ今は仕方がない・・・。 一応、今までの言動を見てきたが、リドネイほどの衰弱し切った様子は感じられなかった。 この点に関しては、あの愚物奴隷店主に感謝だろう。それなりの扱いをしてくれた証拠だ。 ただ、お世辞に良いとはとても言えない。先にも思ったが、やはり奴隷制度は何れ廃止した 方がいい。全てが終わったら、ティルネアに掛け合ってみよう。 夕食の良い匂いの誘惑を振り払いながら、宿屋へと辿り着く。当面はここを日払いで使う 予定なので、店主には予め見越し資金を渡してある。宿屋を出発する際、翌日までの宿屋代を 先払いしている。 仮に戻らなかった時は、その資金は貰ってくれても構わないと告げてある。そうすれば、 一応懇意にされると踏んだからだ。姑息な真似ではあるが、確実な活動拠点は必要である。 地球でもそうだが、現金支払いは何事にも通用する最強の一手だわ。 後半2へと続く。 |
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